2011年 08月 09日
自己組織化プロジェクトの育て方(1) プロジェクトを管理しないという発想の記事はとても参考になった。 特にカオスと秩序の中間には、「カオスの縁」なるものがあるという。 プロジェクトを、さまざまな『粒々』が無秩序につながって混沌とした状態から、ほんの少しだけ『カオスの縁』に動かしてやること。ランダムで無秩序な状態でなく、最適化された完全な秩序でもない状態にすること。これができると、プロジェクトが『自己組織化』する。 ほんとにそうなのか。 筆者の事例からいうと、火消のプロジェクトがメンバーの自己組織化によって結局は成功したという夢のような話であるが。 筆者は以下の3点を繰り返している。 ------------------------------------------------------- 大きさのそろった「粒」をできるだけ増やすこと ------------------------------------------------------- 粒の観点が重要だと思う。 たとえば、粒をそろえるというのは、各それぞれの個体がどのレベル(役割・スキル・情報レベル)で動けばよいかという個々の状態が揃っているということなのではないかと思う。それが皆同じ条件で共有できているからこそ、安心して目標を目指せるのではないかと感じた。 自分の立ち位置や相手の立ち位置を理解していること、どのくらいできる人なのか、相談できる人なのかといったスキルを理解していること、プロジェクトにおける目的や主な戦略などを個々が理解していることということが本当に自分事としてチーム作業をするうえで重要なことなんだなと思う。 つまり、粒をそろえるというのは、自己組織化して作業する事前準備のようなものなのかもしれない。 粒と粒の連携をシンプルにするというのは、コミュニケーションギャップを生じさせないように工夫することなんだろう。情報の提供レベルにしても、その情報がわからない場合に気軽に質問できる場の空気にしても。 それから連携するためのインターフェースを少なく簡単にすることだろうか。 そして「粒」と「粒」との連携方法に例外をなくすというのは、いったん自己組織化しかけているメンバーで合意形成を図ったものは、自分事として守るということなんだろう。また、守ることが難しい状態になったとしても、誰かしらフォローできたり、注意ができたり、乱さぬよう厳しいジャッジをしたとしても承認できるそんな関係性がメンバーの中に生まれているからこそ、例外は無くなるのだと思う。それを貫き通す一体感なのだろうか。 組織にとっても、その中の個人にとっても、幸せなことかもしれない。 #
by isna2005
| 2011-08-09 16:09
2011年 08月 09日
そういえば、昔、顧客との要件定義において、システムのパフォーマンスの要件が漏れていたことがあり、終わりの工程で、設計上の問題点から大変な思いをしたことがあった。 前に「ITプロジェクトの品質管理について」のエントリで触れた品質管理の件で、昔はどんなことで困ったかなぁと改めて考え直してみたら、やはりあった。 この非機能要件というモノはどのようなものであるか。 実は顧客からはシステム化してみないと見えないものなのである。 たとえば、前述のパフォーマンス。 最初から、「画面表示のスピードは、利用者がボタンをクリックしてから1秒以内、ただしIP-VPNを含むインターネットを経由しない社内のローカルネットワーク内においてのみ」という条件なんて、システム化経験のある人でないと、なかなか出てこない要件だと思う。 またはセキュリティ。 通常は「社内で定めるセキュリティポリシーに準ずること」といった、セキュリティポリシーが既にあるところだったらいいけど、昔はそんなものなかったから、一からポリシーらしいものを作るしかなかった。 つまりセキュリティ要件というものが必要だったということ。 そんなものも、利用者側からセキュリティに関する要件というのは、業務とは違う観点だから、要件なんてふつう出てこないし、利用者側も頭をひねっちゃう。 今では、システム化における判断基準としてポリシーが定められている企業が多いと思うので、システムへのログインの仕様ひとつでも、要件を決めるのに比較的スムーズになったと思う。 私が考えている中での非機能要件は今のところ以下の3点 1)性能(パフォーマンス)要件 システムの性能の要件として、利用者のレスポンス、一括(バッチ)処理パフォーマンスなど 2)拡張(キャパシティ)要件 システムの拡張性を担保する要件として、スケーラビリティ、キャパシティなど 3)セキュリティ要件 システムの論理的、物理的機密性やその運用方法など これらは、顧客からの機能的要求仕様を作って行く段階で、どこかのタイミングで非機能的要求をシステム屋が総合的に判断し出すべき項目を抽出し、利用者側への具体的な影響事例や範囲を説明してあげると良いと思う。 #
by isna2005
| 2011-08-09 15:23
| 掃き溜め
2011年 08月 08日
先日土曜日に息子と一緒に親父が付き添って、W大学のオープンキャンパスに行ってきた。 息子はどのくらい期待していたのかどうかわからなかったが、やはり、W大学は活気といい華やかさといい私立大学の雄だなと感じた次第。 まず最初に法学部教室の模擬授業を受けて、そんなに一生懸命ならなくてもいいってくらい一生懸命ノートを取って「わかり易くて良かった」なんて感想を言っていた。 へぇー。 次に社会科学部の学生の話を聞いた。 大学4年生でプレゼンウマすぎる。 この学部はあまり耳慣れないが、非常に守備範囲が広く、法、商、情報などの分野でも学びたい学問をコラボレーションすることができるらしい。ゼミも実学に近い内容だった。 「すっげー良かったー、絶対シャガクに行く!」と息子は息巻いていた。うん、頑張れ。 私が、受験生だとしても面白そうだと思ったし。 で、大隈ガーデンで昼飯食って、小川町でカラオケして満喫した一日だった。 そう、あの日から、自分の部屋で自主的に勉強をするようになってすごい進歩だ。 私も、がんばらねば。 #
by isna2005
| 2011-08-08 17:33
| 日記
2011年 08月 05日
利益を出すための基本原則 よろず屋さんは、魚と野菜と果物と乾物を扱っていて、それぞれの売場に釣銭用の4つの竹カゴが 天井から吊り下げられています。主人は、少しでも多く売れるよう、大声を張り上げます。 毎日夜7時に閉店して、奥さんは、竹カゴのお金を数えて、その日一日を振り返ります。 「今日は、スイカがたくさん売れた。明日も暑くなりそうだから、多めに仕入れておきましょう」と夫婦の会話が弾みます。 1.小さい単位で、採算を見る。 →それぞれの売場に釣銭用の4つの竹カゴ 2.その単位で、「売上最大・経費最小」を目指す。 →「今日は、スイカがたくさん売れた。明日も暑くなりそうだから、多めに仕入れておきましょう」 3.お金の動きで儲けをとらえ、キャッシュフロー経営を行う。 →竹カゴのお金を数えて、その日一日を振り返ります。 本当に基本的なことなんだけど、よくわからないときは原則に戻ることなんだな。 ref:会計経営と実学 #
by isna2005
| 2011-08-05 09:53
| メモ
2011年 08月 04日
2011/06/04 FF2011 亀田教授と堀さん - 亀田教授の講演の前にバズセッション。問いは「私たちはなぜ話し合うのか?」 10:25:23 - 「私たちはなぜ話し合うのか?」口があるから。愛があるから。楽しいから。なんかいろいろ出てきたうちのチーム。 10:28:15 - 北海道大学大学院文学研究科 亀田教授の講演。いまバズセッションで話し合ったことが本質を突いているのか?聞いて見ましょう。という投げかけ。テーマは「集団の知を考える」 10:33:23 - Overview共有。話し合いを良い悪いとする前に中立的な観点に立って研究。研究者の立場から集団の意思決定について語る。話を散らかしてみる。ジャムセッション? 10:35:14 - 今日のメニュー。心の設計は本質的に社会仕様になっている。「集団の知」をめぐって。ミツバチの賢さと人の愚かさ。 10:36:29 - 心を考えるためのヒントはオズの魔法使い。心は社会をつくり社会を生きていくための道具だ。霊長類の脳は社会をつくるためにに進化した。 10:41:47 - 大脳新皮質の大きさはその種の群れの平均的なサイズに相関関係がみられる。群れが大きくなると脳 大脳新皮質も大きくなる。 10:42:57 - 脳は動かすのにとてもエネルギーの要る。成人男性の場合、脳の重さは体重の約2%に対して1日に体全体が使うエネルギーの20%を消費する。なぜそんな進化をしたのか?社会生活をうまく営む上で相手の気持ちを理解したり意図したり推測したりする必要がある。脳は社会仕様だ。 10:45:38 - 表情模倣現象。画面に笑顔の人を移すと、画面を見ている被験者もつられて笑顔になる。眉間にしわが寄ると模倣する。この現象は表情だけでなく体の姿勢等も他人と同期化することがある。 10:47:29 - ミラーニューロン。例えば相手が餌を取ろうとしているときと、自分が餌をとろうとしているとき、まったく同じ動きをするニューロン。これが霊長類にはある。人間にもあるかもしれない。 10:51:31 - 私たちはこのような無意識な模倣を行うことで相手とのスムーズなコミュニケーションなどを可能にしているのかもしれない。共感・模倣・相手の意図や場を読む能力とつながってくる。 10:52:13 - 「心が本質的に社会仕様である」であるということは、集団の知、協働の知に対してどのような意味を持つのか?他者に対するさまざまな感受性(共感や模倣)は、集団の知、協働の知をどのように支えるのか? 10:53:25 - アンデルセンの童話「裸の王様」 大馬鹿者には服は見えないといわれ、裸で歩かされる羽目になる物語。 10:55:09 - 沈黙のらせん。王様→大臣→家来→一般市民と連鎖が拡大する。王様の着物は自分の目には見えないが他の人の目には見えるのかもしれないという認識が全員同時に成立している。社会心理学では集合的無知と呼ばれる。 10:56:17 - なぜこのようなプロセスが起きたのか?を考えると、人間が他の人の行動に対して非常に鋭敏な能力を持っているからこそ生まれるといえる。裸の王様で沈黙を破ったのは場や空気を読めない無邪気なこども。 10:57:28 - 金融マーケットの話。誰かが売りというと売りが連鎖。だれかがやってられない!というとやってられない!が連鎖する。情報のカスケード現象。上流で起こったことが下流に連鎖する。周りの人の行動を見て自分の行動を決める。 10:59:09 - 暴動・サッカーのフーリガンなどの現象も。「群れ行動」「アニマルスピリット」非理性的・非人間的な側面が強調されるが、これらの負の社会・集団現象は集団生活をする上での能力とコインの裏表の関係にある。 11:01:24 - ミツバチの"心"の設計。真社会性昆虫における協働の知とは? 11:04:23 - ヒトやその他の霊長類と並んで、組織化された「社会」を作る種。ハチやアリやシロアリ。こどもを残せる少数の固体と、残せない多数の固体が社会を形成している。個体の能力は高くない(ハチの脳<ヒトの脳)が、進化的に大成功している。 11:04:35 - 真社会性昆虫の"心"はどのように設計されているのか? 11:05:30 - 春に新たに女王蜂が誕生したミツバチのコロニーでは分離が起こる。新たな女王は元の巣に残り古い女王蜂は働き蜂を2/3ほど残して去る。この意思決定はどのように行われているのか?200~300の働き蜂からなる巣探索委員会がある。 11:07:23 - ハチ巣の候補を探し、コロニーに帰ってから自分の発見を八の字ダンスで示す。そのダンスが長ければ長いほど発見の質が良いサイン。これから候補を探しにいくハチは質の良い方向へ探しに行く。このプロセスは次第に、合意のプロセスを導く。 11:09:04 - ところでミツバチはどうして"情報のカスケード"に引っかからないのか?あとのハチは前のハチの宣伝にしたがって、候補地の訪問先を決める。それならば、まちがった情報が連鎖してもおかしくないのでは・・・? 11:10:50 - ミツバチの心のデザイン。どこを訪問するかの意思決定では他のハチに同調・模倣する。多くのハチが熱心に宣伝する候補地を自分も訪れやすい。これはポジティブフィードバックループ。しかし訪問先の質の判断・評価は自分の目に従って、他者に影響されず独立して行う。 11:12:40 - 自分の評価にのみしたがって宣伝をする。これはブレーキの役目をする。このポジティブループとブレーキが非常に優れた協働をつくる。 11:13:41 - 人間はミツバチのような「協働の知」を生み出せるのか?ソーシャルなネットの世界と話がリンクしてきたなぁ。 11:14:43 - インターネットの口コミサイトはミツバチの巣探しの構造と非常に良く似ている。ここで実験。 11:15:26 - 実験参加者は6つの選択肢(巣の候補地)から1つを選ぶ。6つの選択肢の良さ(選択から得られる報酬)にはバラツキがある。選択に当たって、他者の口コミを参照できる条件とそれができない条件を設定した。 11:19:16 - 結果、口コミができた方が成績が良かった。しかしミツバチは人間よりももっと大きなパフォーマンスを発揮する。 11:19:51 - 人間は集団全体として評価の仕組みをミツバチほどうまく使えていない。人間は他者に対して鋭敏でありすぎるため、うまくミツバチのメカニズムを使えない。これはいまのインターネットの口コミサイトに一定の含みを持たせるだろう。 11:20:17 - この考察はまだまだこれから。 11:20:36 - ここでのとりあえずの結論。心の設計は本質的に社会仕様。これは喜ばしい進化。しかしこうした心の設計は、集団の知と具をともに生み出しえる。個人の自立性を保ちつつ他者の意見を真剣に参照することが「協働の知」を生み出す重要なキーとなるだろう。 11:22:05 - 50分の講演終わり。グループで感想や質問を共有。 11:22:34 - 人間も働き蜂のように恋愛をせずただ働き続ければ、ハチのように高いパフォーマンスを出すことができるのだろうか。 11:34:00 - 人間のように自由に恋愛をしたりこどもを残せる生物で、ハチのように高い協働の知を発揮している例はあるのだろうか? 11:35:02 - バズセッション終了。堀さんと亀田教授の対談。 11:35:36 - 堀さんより。ハチと人間の違いに何か仮説はあるか?ハチはハチ全体が1つの生物ではないかという視点がある。 11:36:40 - 堀さん。他人の情報を参照するとき、中身よりだれがそれを言っているかで判断するところが人間にはないか? 11:37:12 - 亀田教授。大きな文脈でいうと。いまネット社会になっている。その中での集団の知はすごく重要になっている。個々の知を全体の知にすればどうすれば良いんだろう。 11:38:28 - 堀さん。ハチは何を判断基準に良い巣と判断しているのだろう?我々 人間は企業活動など正解のないことに合意しなければいけない。それも違いでは? 11:39:22 - ハチ1箇所しか候補地に行っていないのにダンスの質をどう決めるのだろう?堀さん「初恋のヒトと結婚するようなもの」 会場:笑 11:40:29 - 堀さん:ミツバチって偶然性・思い込みの社会では。 亀田教授:たまたまや偶然に対してどう対処するかが、生物的に生き延びる上で極めて重要。 11:43:36 - 福島原発の注水を個人が決定したことについて先生はどうお考えですか?という質問。ずいぶんザックリ聞くなぁ笑 11:46:10 - 堀さん。日本は現場が判断してうまくいったときは美談になりやすい。組織のリーダーが果敢に判断してうまくいったときはあまり美談にならない。なるほど。 11:48:03 - 会場から質問。最近 母親が携帯を見たりしてあまり表情が赤ちゃんに見えづらくなってなっているように思う。先生のお考えを。・・・先生のお考えを、ってなんだか会場が置いてけぼりになる質問だなぁ。 11:49:51 - 堀さん。感情って行動のあとに感情がおこるのか?それとも行動して感情が生まれるのか。 亀田教授。どっちもではないか。意思決定と行動の関係も似ている。自由意志ってなんだろう? 堀さん。意思決定に納得があれば何でも良いと思っている。納得があればみんな行動する。 11:54:58 - 手を挙げて質問。人間のように自由に恋愛をしたりこどもを残せる生物で、ハチのように高い協働の知を発揮している例はあるのだろうか?⇒答:難しい。いまあるクラウドな仕組みやソーシャルな取り組みは生物として質の良い協働の知への願望ではないか?と思っている。なるほど。 12:00:06 - 会場から最後の質問。同調と引きこもりについて。同調はパラドックスを含んでいる。それを乗り越えることができることを示しているのがハチだ、と。 12:03:31 - ここで時間になったの終了。堀さん。そんな社会をつくっているのがファシリテーションだ、と。堀さんちょっと安易じゃね?笑 12:04:12 #
by isna2005
| 2011-08-04 17:29
| メモ
|
アバウト
カレンダー
以前の記事
カテゴリ
お気に入りブログ
最新のトラックバック
ライフログ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||